App Store への申請に使ったアプリを実機で検証する : Objective-C プログラミング

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App Store への申請に使ったアプリを実機で検証する

Xcode 4.5.2 では、作成した iOS アプリを App Store へリリース申請するときに Organizer を使います。

iOS アプリを Archive ビルドすると Release モードでバイナリがビルドされて Organizer に登録されるので、Validate して Distribute することで App Store へアプリを提出できる、というのは iOS アプリ制作者であればお馴染みの操作ですね。

しかしこのとき、開発中の普段のビルドは Debug モードで生成されたバイナリになっているのが一般的と思うので、もしかすると Release ビルドで固有の不具合とかも発生したりしているかもしれません。

 

そんな不具合がないかテストするために、既定で Release モードでビルドされる Profile ビルドで実行したり、ビルドモードを手動で Release に変更したりして、Release モードで生成された iOS アプリを起動させることなると思います。

 

そして、その他にももうひとつ、App Store へ申請するために用意したバイナリを使って動作を試すこともできました。

要は Xcode4 で Ad Hoc アプリをビルドする でも記した Ad Hoc を使って iOS アプリを実機で使う方法です。このとき、リリース用のコード署名ではなく、開発用のコード署名を使っても、iOS デバイスに転送して動作テストを行えるようでした。

App Store への申請のためにビルドしたものがそのまま使えるので、この方法なら最終的に App Store にリリースされるときとほとんど同じ環境で iOS アプリの最終テストができるように思います。

Ad Hoc 用に署名する

方法としては、まずは Organizer の Archive から、App Store へ提出するために作成したアプリを選択します。

そして、その中から目的のバイナリを選択して Distribute ボタンを押します。ここで選択するバイナリは、リリース申請をして "Submit" し終わっているものでも大丈夫です。

 

配布方法は、いつもの "Submit to the iOS App Store" ではなく、"Save for Enterprise or Ad-Hoc Deployment" を選択します。

そして、次へ進むとコード署名の選択画面になります。

ここでは、いつもの "iOS Distribution" 用のコード署名ではなく、開発用の "iOS Term Provisioning Profile (iOS Developer)" を選択します。

次へ進むと、iOS アプリのバイナリの "*.ipa" ファイルの保存場所を尋ねられるので、好きな場所を選んで "Save" ボタンを押します。このとき "Save for Enterprise Distribution" のチェックは外しておきます。

これだけの操作で、App Store 用に生成したアーカイブを、iOS 実機に転送できる Ad Hoc バイナリとして流用することができました。

ただし、今回は開発用のプロビジョニングプロファイルを使って署名しているので、転送できる iOS デバイスは開発用に使っているものに限られます。

バイナリを iOS デバイスに転送する

作成した iOS アプリのバイナリ "*.ipa" ファイルは、iTunes を使っても iPhone 構成ユーティリティを使っても、どちらでも転送することができますが、今回は iPhone 構成ユーティリティで転送する方法を紹介します。

iTunes だと開発用のアプリと普段のアプリとが混ざってしまうので、iPhone 構成ユーティリティの方が扱いやすいと思います。

Mac に iPhone 構成ユーティリティがインストールされていない場合は、http://support.apple.com/kb/DL851?viewlocale=ja_JP&locale=ja_JP からダウンロードしてインストールしておきます。

 

そして、iPhone 構成ユーティリティを起動したら、左のメニューの「ライブラリ」のどれかを選んで、右側のリストのところに、先ほど作成した iOS アプリのバイナリ "*.ipa" ファイルをドラッグアンドドロップします。

これで iPhone 構成ユーティリティの「アプリケーション」に、作成した iOS バイナリが登録されました。

 

後は iOS デバイスを Mac に接続して、iPhone 構成ユーティリティの左メニューにある「デバイス」から、その iOS バイナリをインストールしたいデバイスを選択します。

そして、右領域の上側のメニューから「アプリケーション」を選択して、インストールしたい iOS バイナリのところにある「インストール」ボタンを押せば、iOS デバイスにその iOS アプリのバイナリを実機に転送できます。

App Store へリリース申請するために作成した iOS アプリのバイナリを使って Ad Hoc アプリを作成しているので、これで App Store を通して最終的にリリースされるアプリとほとんど同じ環境で動作確認できると思います。

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